ボイラー技士の資格の概要
ボイラー技士とは、ボイラーを管理や点検、修理などを行うための国家資格です。
火気や高温のガスが使用されるボイラーでは危険が伴うため、安全を確保するためにボイラー技士の役割が非常に重要になっています。
なお、ボイラーの管理・点検・修理にこの資格が必要になるのは伝熱面積（熱を伝えることができる範囲）が3平方メートル以上あるボイラーで、小型のボイラーには必要ありません。
このボイラー技士の特徴としては、まずレベルに合わせて3つの段階が設定されている点が挙げられます。
まず、初歩的な資格となる二級ボイラー資格です。
ボイラー技士を目指す人はまずこの資格を目指すことになり、ボイラー技士としての仕事を獲得する足がかりにすることもできます。
それから一級ボイラー技士ですが、本格的にボイラー技士としてのキャリアを目指したいならこの一級を取得する必要があるでしょう。
そしてもっとも高いレベルとなるのが、特級ボイラー技士です。
ここまで来ると、規模の大きな工場やビルで設置されている規模の大きなボイラーを扱うことができるようになります。
これらの資格を取得するためには、試験に合格する必要があります。
いずれの資格でも4科目10問の出題が行われ、各科目で得点率40%以上、全体平均で60%以上の得点率を獲得する必要があります。
合格基準はいずれも共通していますが、もちろん試験の難易度が異なるほか、それぞれ受験資格が設けられているので注意が必要です。
二級ボイラー技士の場合は20時間ほどのボイラーに関する実技講習が必要（ボイラー未経験者のみ）なのに対して、一級は二級ボイラー技士の資格や1年間の実地研修、特級ボイラー技士では一級ボイラー技士の資格や2年間の実地研修などが求められます。
ボイラー技士の資格の工場での活かし方
ボイラーが使用されている工場では欠かせない存在のため、活かし方というより、適切な人員を配置しボイラー技士がその知識・スキルを適切に活用できる環境を用意することが重要なポイントとなってくるでしょう。
工場をはじめとした大規模な施設では、さまざまな用途でボイラーが使用されています。
例えば空調・調理設備のため、さらには浴室施設などのために設置されていることもありますから、工場での作業に使用するボイラーだけでなく施設全体のボイラーをきちんと管理・点検・修理する役割が求められることになります。
そのため工場の現場では、ボイラー技士を活かせる活躍の場を用意するだけでなく、過剰な勤務にならないよう、適切な労働環境を維持しながらボイラー技士ひとりひとりが十分に技能を発揮できる環境づくりを心がける点も重要になってきそうです。
ほかには、工場の建設や改装などの際にボイラーの設置や移転が必要になった際などに、ボイラー技士のアドバイスが大きな意味を持つこともあります。