皆さんはかまぼこを食べる時、普段は何をつけて召し上がるでしょうか。多くの方が、やはり「わさび醤油」なのではないかと思います。ツンとくるわさびの風味と醤油の香りは、かまぼこの上品な旨味を実によく引き立ててくれます。
ただ、いつも同じ食べ方というのも、少しもったいないかもしれません。
実はかまぼこは、想像以上に懐の深い食材です。淡白でクセがないからこそ、様々な調味料を受け入れ、その表情を変えてくれます。
そこで今回は、私が日頃から楽しんでいる、少し変わったかまぼこの食べ方をいくつかご紹介したいと思います。ご家庭にある身近なもので手軽に試せますので、ぜひお試しください。
柚子胡椒で、爽やかな大人の味
わさび醤油も良いものですが、いつもと違う和の風味を試したい時には、「柚子胡椒」はいかがでしょうか。
ちょこんとかまぼこに乗せて口に運ぶと、まず柚子の高貴な香りが鼻に抜け、その後から青唐辛子のキレのある辛さがやってきます。これが、かまぼこの持つ優しい甘みと実によく合います。
わさびとは趣の異なる、上品で奥行きのある辛味は、まさに大人の味わい。特に辛口の純米酒などと合わせますと、お互いの良さを引き立て合い、豊かな晩酌の時間になることでしょう。
オリーブオイルと岩塩で、洋風の前菜に
まず一つ目にご紹介するのは、食卓の雰囲気が少し華やかになる、洋風の楽しみ方です。
少し厚めに切ったかまぼこに、上質なエキストラバージンオリーブオイルをかけ、岩塩を軽く振ります。お好みで、黒胡椒を少し挽くのもおすすめです。
これが、驚くほどよく合うのです。まるで、白身魚のカルパッチョをいただいているかのよう。オリーブオイルのフルーティーな香りがかまぼこの風味を優しく包み込み、岩塩の角のない塩味がその旨味を静かに引き締めてくれます。キリッと冷えた白ワインと、ぜひ合わせてみてください。
クリームチーズと黒胡椒で、濃厚な一品に
次におすすめしたいのが、お酒のお供にぴったりの、濃厚な味わいの組み合わせです。
板から外したかまぼこをお好きな厚さに切り、常温で少し柔らかくしたクリームチーズを乗せ、仕上げに黒胡椒を挽きます。
プリプリっとしたかまぼこの食感と、クリームチーズのなめらかでクリーミーな舌触りが、口の中で心地よく調和します。そこに黒胡椒の爽やかな香りと辛さが加わることで、全体の味が引き締まり、思わず唸る美味しさです。日本酒はもちろん、スパークリングワインなどとも良い相性を見せてくれますよ。
