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安全管理者とは?その資格の概要

工場や建設現場など、危険が伴う可能性がある現場において、作業員の安全に対して責任を負うのが安全管理者です。
こうした作業場において、50名以上の労働者を配置している現場では必ず安全管理者を設置することが法律によって定められています。

そんな安全管理者ですが、じつは「安全管理者」という名称の国家資格が存在するわけではありません。
そのため、現場において安全管理者になるためにはいくつかのルートがあります。
これから安全管理者を目指そうとする場合、どのルートが最も適しているのかをよく見極めたうえで判断する必要もあるのです。

まずひとつ目のルートとして、「労働安全コンサルタント」という国家資格を取得する方法が挙げられます。
この資格は試験を受験して合格することで取得が可能なもので、例年の合格率は30%前後となっています。
筆記試験と口述試験の2段階に分かれており、毎年1200人程度が受験しています。

この合格率から見てもややハードルが高めな資格と言えますが、国家資格ということもあって、キャリアを重ねていくうえで有利になるほか転職の際にもメリットになります。
この資格を取得していれば、転職時に最初から安全管理者のポストで迎え入れられるチャンスも高くなるでしょう。

もうひとつの方法は、「安全管理者選任時研修」の講習を受講・修了することです。
この講習は全9時間、4科目で構成されており、これを終了しさえすれば誰でも安全管理者になることができます。
労働安全コンサルタントの資格取得に比べれば、はるかに難易度が低い選択肢と言えるでしょう。

ただし、この研修を受講するうえでは受講資格をクリアしている必要があります。
条件は学歴や学生時に在籍していた学科によっても異なりますが、共通しているのは「産業安全の実務に従事した」実務経験が求められる点です。
例えば、大学・高等専門学校において理科系統の学科を卒業した場合には2年以上、高卒の場合は4年以上の実務経験が必要になります。
理科系統の学科を卒業していない場合、大学・高等専門学校卒業で4年、高卒の場合は6年以上となります。

これらの学歴を持っていない場合、7年以上の実務経験があれば受講可能になります。
こうしてみると、すでに産業安全の分野で実務経験がある人は研修で安全管理者を目指す一方で、実務経験がまだ乏しい人が安全管理者を目指す場合には労働安全コンサルタントの資格取得を目指すのが近道、と言えるかもしれませんる

安全管理者の工場での活かし方

この資格保有者の工場での活かし方としては、やはり作業員の安全教育を高めるための教育がまず挙げられるでしょう。
もちろん、現場の安全環境の構築・維持が基本的な役割ですが、それは大前提で、そのうえで作業員の単純なミスなどで事故が起こらないような環境づくりがやはり欠かません。
こうした作業員とのコミュニケーションに長けた安全管理者をうまく活用することが、工場での安全管理を高める上でのポイントとなるかもしれません。

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